2014-08-12
フトヒルムシロ
写真はヒルムシロ科のフトヒルムシロでしょう。 写真の縁が少し波打った楕円形の葉は浮葉で、水中には水中葉を出すのですが、写真の場所では水深が浅く、水中葉はほとんど見られませんでした。
ヒルムシロを漢字で書けば「蛭筵」で、水中に棲むヒル(血を吸うやつです)がこの葉を筵(むしろ)にして休むと言うのですが、本当にそんなことをしたらヒルは干からびてしまいます。 あくまでもイメージからつけられた名前で、上の写真では小さなハエやカメムシたちの筵になっています。
なお、上の写真は 1,600×1,200 ドットです。 PCで元の大きさの写真を見る方法については、ラベル「このブログについて」の「ブログのスタートにあたって」に書いておきました。
水面から出て直立しているのは花穂です。 開花時はこのように水面から出ていますが、花後は横向きに寝て水中に没し、果実になります。
上は花穂を拡大したもので、たくさんの花が集合してついています。 花は雌性先熟で、暗紅色のメシベは4心皮性ですが、もう果実になりかけていて、4つ揃っているとは限りません。
上の写真で黄色いのはオシベの葯で、1つの花には4本のオシベ(つまり8個の葯)があります。 写真の上の方のオシベはまだ花粉を出していません。
上の写真で、緑色の花弁またはガクのように見えるのはオシベの葯隔付属物で、ヒルムシロの仲間の花には花弁もガクもありません。
上は水中にあった芽を持ち上げて撮ったもので、ゼリー状の膜に包まれて保護されています。 茎の先端は花穂になろうとしています。
フトヒルムシロの葉のほとんどは互生しますが、花穂の直下につく浮葉は対生です。
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