上はトキワハゼで、10月7日に堺自然ふれあいの森で撮ったものです。
トキワハゼはムラサキサギゴケとよく似ています。 両者の違いとして、ムラサキサギゴケはランナーを出して四方に広がるのに対し、トキワハゼはランナーを出さずに立ち上がると、あちこちによく書かれています。 しかしこのことを重視しすぎると、ムラサキサギゴケをトキワハゼと見誤ってしまうことがあります。
上は5月の中旬に撮ったもので、ランナーは出ておらず、立ち上がっていますが、ムラサキサギゴケです。 日陰ぎみのところに生えていたもので、茎が徒長し、葉が上の方までついていますが、こんな姿のムラサキサギゴケもあるということで載せておきます。
下は上の株の花の拡大です。
トキワハゼもムラサキサギゴケも、花が咲き始める4月頃は、地面に貼り付くようにして花をつけています。 その後、両者とも花茎が伸びて立ち上がっていきます。 ムラサキサギゴケがランナーを出しはじめるのは、この後です。
上のような時期に両者を見分けるのは、やはり花の比較がいいでしょう。 花の大きさは、ムラサキサギゴケの方が大きいのですが、大きさの比較は、両者を並べてみればすぐに分かるのですが、片方のみの写真では比較は無理ですね。
トキワハゼとムラサキサギゴケの花の色を、上に載せた写真を比較すると、トキワハゼの方が白っぽいことが分かります。 また、花弁の模様も少し違います。
花の色や模様だけでは個体差があって心配な場合は、花弁の上唇部を見ればいいでしょう。 この部分がムラサキサギゴケでは深く切れ込み、尖る傾向にあるのに対し、トキワハゼの場合は浅く切れ込んで先が丸いか、全く切れ込んでいない場合もあります。 下2枚の水色の○で囲んだところを比較してみてください。
ムラサキサギゴケ |
トキワハゼ |
ムラサキサギゴケの花期は3~6月であるのに対し、トキワハゼの花は、常盤(ときわ)の名前のとおり、ほぼ1年中見られます。 この記事は両者を比較できる春の方が良かったのかもしれませんが、春は虫も鳥も花もいろいろあって、なかなか載せる機会がありません。
しかし、今ならどちらか迷う心配はありません。 今咲いているのは間違いなくトキワハゼでしょう。 と書いて、狂い咲きのムラサキサギゴケがあったりして・・・。
こんにちは。
返信削除とてもきれいに拡大した写真と、分かり易い説明によって、両者の違いが分かりました。
いつも道端のきれいな小さな草花に癒されていますが、その名前と特徴がよく分かっていなかったので、混同していました。今回、よくわかりましたのでもう間違えないと思います。
サギゴケは私の近所ではあまり見かけないようです。サギゴケはやや大きい花ですね。
またツタバウンランは身近によく見かけています。これも最近、トキワハゼやイヌノフグリなどと間違えなくなりました。ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
削除いただいたコメントで、少し気になるところがあります。
イヌノフグリはお近くにあるのでしょうか?
外来種のオオイヌノフグリはたくさん増えてあちこちでよく見られますが、在来種のイヌノフグリはとても少なくなってしまい、貴重な植物になっています。
オオイヌノフグリ
http://soyokaze-jp.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_b98f.html
イヌノフグリ
https://soyokaze2jp.blogspot.jp/2015/04/blog-post_28.html
トキワハゼとムラサキサギゴケ
返信削除いつもどっちかな?っと迷ってました。今回も迷って、こちらにお伺いして最後の2枚の写真でふっきれました。ありがとーです。