ヤスデゴケの仲間は、背側から見ると、葉(側葉)が左右2列にきれいに重なって並んで伸びていて、この様子を節足動物のヤスデに見立てたものでしょう。 樹幹や岩上に見られることが多く、苔類のなかで乾燥に強いとされていて、色は赤みを帯びているものがほとんどです。 そんななかにあって、ミドリヤスデゴケ
Frullania ericoides は上の写真のように、生育環境によってはかなり緑色が目立つようになります。
しかし、乾燥気味の所では、上のように赤褐色になります。 最初の写真と上の写真とは隣接した場所で撮ったものです。
他のヤスデゴケの仲間と異なる特徴として、ミドリヤスデゴケは、湿ると上の写真のように葉が立ち上がるように開きます。
(2015.2.15. 交野市)
(以下、2015.8.16.追記)
どういうわけか、ミドリヤスデゴケの葉身細胞に関する記載は、本にもネット上にも、ほとんど見られないようですので、2015.7.20.に兵庫県川西市笹部で採集したミドリヤスデゴケの葉身細胞の顕微鏡写真を下に追加しておきます。 発達したトリゴンと、ブドウ房状の油体が見えます。
◎ ミドリヤスデゴケの腹面の様子や組織の顕微鏡写真などは
こちらに載せています。