2015-05-20

コガタウツギヒメハナバチ

 体長1cmほどの小さなハチがたくさん飛び交っているところに出会いましたが、その飛び交っている様子の撮影はとても無理でした。 たまに地上に降りて走り回る個体がいるのですが、見ていると、小さな穴があると、その中を調べているようです。 その瞬間は動きが止まりますから、そこを撮ることにしました。




 1枚目の写真で翅脈が分かります。 また頭盾中央部に黄色の斑紋があることから、この蜂はウツギヒメハナバチかコガタウツギヒメハナバチのオスのようですし、3枚目の写真から、頭盾は幅広く隆起しているようですので、コガタウツギヒメハナバチでしょう。
 オスが集団で飛び交ったり穴を調べているのは、メスが営巣を始めている場所で、オスがメスを探し求めているのでしょう。

 そこに1頭のメスが出現。 オスたちのメス争奪戦が始まりました。


 上は1頭のメスの背に2頭のオスが乗っている写真ですが、久しぶりにうまく撮れた写真だと自己満足しています。 激しい動きが分かりますし、オスとメスの違いもよく分かります。 メスの頭盾には黄色の斑紋がありませんし、オスでは確認できない顔孔が認められます。 また、メスの後脚脛節の刷毛はよく発達しています。


 上から撮った写真も1枚載せておきます(上の写真)。 オスは2頭とも大顎を大きく開いています。

(追記)
 うすのきさんからコメントをいただき、コガタウツギヒメハナバチ(以下、コガタ)とウツギヒメハナバチ(以下、ウツギ)の区別は写真では難しく、頭部を横から見て、頭部の後ろ側がなだらかなカーブならコガタで、横から見たときに複眼の幅より厚みがあって曲がった部分が角ばるならウツギと考えているとのコメントをいただきました。
 じつは私もコガタとウツギの微妙な違いが心配で、オスを1頭連れ帰って、室内でも何枚か撮影していました。 そのうちの頭部を横から撮った1枚を下に追加しておきます。 これで見ると、頬(複眼の後側)と複眼の幅はほぼ同じで、やはりコガタのようです。


(2015.5.14. 富田林市 錦織公園)

5 件のコメント:

  1.  こんばんは。
    うわぁ、写真じゃ難しいんですよね・・・見分け。
    頭部を横から撮れば少しは判り易いのですが。
    ただ一つ気になるのは4枚目の写真の真ん中のオスの頭部が厚く見えてしまうこと。
    おそらく他の写真があると思うので比較すれば判ると思います。
    頭部の後ろ側がなだらかなカーブならコガタで横から見たとき複眼の幅より厚みがあって曲がった部分が角ばるならウツギと私は考えています。
    後脚脛節刷毛も全然違いますから・・・。
    なのに写真にすると判らないから不思議なものです。
     あの公園ですか。
    ウツギは・・・サラサウツギも含めて里山を模した場所ですよね。
    う~~確認に行きたいような、コガタを撮りにいきたいような。

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  2. よく読むと五月十四日なんですね。
    それならばコガタの可能性が増しますね。(たぶん)
    私の知ってる限り、ウツギは五月末ぐらいに発生する場所しか知りません。

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  3. うすのきさん、コメントありがとうございます。
    頭部を横から撮った写真を追加しておきました。
    営巣場所はサラサウツギなどの植栽場所からは直線距離にして90mほど離れた場所で、当日は訪花している個体はほとんど確認できませんでした。
    このところ記事をまとめるよりも撮りに行きたい気持ちの方が強く、写真はたまる一方で、どうしても記事が遅くなってしまいます・・・。

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  4. こんばんは。
    やっぱり有りましたか。
    この角度なら頭盾の隆起が良く判りますね。
    今まで不思議な写りだなと思っていたのが、この角度だったのですね。
    たまに、こんな頭盾の写真を見るので不思議に思っていました。
    さらに驚いたのは厚さを別にすると、この後頭部の曲がり方はコガタではなくウツギに近いように見えます。
    専門家でも間違えるというのが良く判りました。

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    1. 曲面が組み合わさった形の場合は、少し見る角度が違うだけで違った見え方になる場合がよくありますよね。
      そのあたりが実物や標本ではなく写真で判断する場合の限界かもしれないのでしょうが、小さなものを写真で拡大するのも大きな武器になりますし、相補的に、ということなのでしょうね。

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