奈良県・吉野川の支流の岩上に育つコケたち、上の写真でいちばん広い面積を占めている明るい緑のコケの大部分がコバノスナゴケ
Racomitrium barbuloides です。 ちなみに、黒っぽい緑色で尖ったように立っているのはフデゴケ、褐色のものはコスギゴケの雄株やツメゴケの子器などです。
エゾスナゴケが土の上に生育することが多いのに対し、コバノスナゴケはこのように岩上に生育することが多いようです。
上の写真のように胞子体をつけているものもありました。 胞子体の形態は
エゾスナゴケとそんなに違わない印象を受けましたが・・・
並べてみると、大きさはエゾスナゴケとは全く異なります。 上の写真は下がエゾスナゴケで、右上がコバノスナゴケです(どちらも湿った状態です)。
コバノスナゴケの茎は、上の写真のように短い枝をよく分枝しています。 葉は1.5~2mmほどの長さです。
葉は卵状披針形でした。 上の写真の赤い四角の所は葉が折れ曲がっているため、葉身細胞を横から見ることになります。 この部分を拡大したのが下です。
葉身細胞にはパピラがあります。 このパピラは、葉の基部の細胞を除き、腹側にも背側にも見られました。
上は2つ折れになった葉の先を横から見ています。 葉先は透明尖になっていますが、なっていない葉もありました。 赤っぽいのはゴミです。
(2016.3.13. 奈良県 川上村)
◎ 亜高山帯に生きるコバノスナゴケの姿は
こちらに載せています。