2016-03-30

テンダイウヤク


 テンダイウヤク Lindera strychnifolia はクスノキ科の常緑低木で、江戸時代に中国から導入されたようです。 漢名は天台烏薬で、根は健胃薬として利用されます。 秋に熟す黒い果実は鳥に食べられ、種子が運ばれ、あちこちで野生化しています。
 葉は光沢があり、多くのクスノキ科の木と同様、三行脈が目立ちます。


 この時期、テンダイウヤクは新芽を伸ばしはじめ、同時に花を咲かせ始めています。 展開しかけた葉は表裏とも柔らかい毛が密生しています。 この毛は成葉の葉の裏に金色の毛として残存しています。



 テンダイウヤクは雌雄異株です。 写真は雄株の花で、雌株は見つかりませんでした。 雄花は花被片が6、オシベは3本ずつが3輪につき、内輪の3本の左右には腺体があります。 上の写真の花では、この腺体の表面が分泌された蜜で光っています。
 1本のオシベの葯は2室で弁があり、この弁が上に反り返って開き、花粉が出てきます。 下はオシベをさらに拡大したものです。


(2016.3.28. 堺市南区高倉台)


0 件のコメント:

コメントを投稿