2016-06-27

ヤスマツトビナナフシの異形再生


 上は脱皮を終えて間もないヤスマツトビナナフシで、右の中脚にはまだ脱皮殻がくっついています。 長い触角は前脚と揃えて前方に伸ばしていますが・・・


 頭部を拡大してみると、左の触角の位置に何か変なものがあります。 これをよく見ると、節があり、先端部分には1対の黒っぽい小さな爪があり、爪の間にはプニョプニョした爪間板(しかんばん)があります。 つまり小さくはありますが、脚のつくりになっています。
 上の写真は、堺自然ふれあいの森で行われた実験なのですが、触角を切っておいたところ、脱皮して、触角の位置に脚が再生してきているのです。 このように、本来とは異なるものが再生してくる現象を「異形再生」と呼んでいます。
 生態的な意味からすれば、ナナフシの仲間の脚は失われ易く、脚を再生させようとする潜在能力が高いために、触角の位置にまで足を再生させてしまった、ということなのでしょう。

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