2016-08-29
ゴゼンタチバナ
上はミズゴケに囲まれて咲くゴゼンタチバナ Cornus canadense の群落です。 ゴゼンタチバナの分布は、国外では北東アジアと北米に分布していて、種小名からも分かるように、基準標本はカナダのものです。(カナダで撮ったゴゼンタチバナはこちらに載せています。)
ゴゼンタチバナの葉は、花の咲いているものは6輪生に、花の咲かないものは4輪生のように見えます。 花の咲く/咲かないによる葉のつき方の違いはどのように説明がつけられるのでしょうか。
ゴゼンタチバナはヤマボウシやハナミズキなどと同じ属のミズキ科で、対生の葉をつけます。 ただしそんなに高くは伸びず、1対の対生の葉をつけると、ほんの少し茎を伸ばして、よく光を受けられるように最初の対生の葉とは90°ずれた位置に、もう1対の対生の葉をつけます。 そしてそこで生長を止め、あとは光の少ない林床で光合成に専念します。 これが花の咲かない4輪生に見えるゴゼンタチバナです。
花が咲く株の場合は、1対の対生の葉を広げた後の茎の先にある芽(頂芽)は花芽になっていて、それ以上伸びて葉をつけることはできません。 このとき、最初に開いた対生の葉の腋にあるそれぞれの芽(腋芽)がほんの少し伸び、対生の葉をつけます。 これが6輪生に見える葉で、最初の対生の葉より、その腋芽からの対生の葉(2枚×2ヶ所)が少し小さいことがよくあります。
花序のつくりもヤマボウシやハナミズキなどとよく似ていて、たくさんの小さな花を4枚の白い総苞が囲んでいます。 小さな1つひとつの花は、上の写真で黒く見えている1本のメシベと、4枚の花弁と、その花弁の間に位置する4本のオシベと、それらを包む筒状のガクから成り立っています。
(2016.7.20-21. 北八ヶ岳)
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