2016-09-03

ヨツバシオガマ


 ヨツバシオガマ Pedicularis japonica は標高の高い所で見られるシオガマギクの仲間です。 名前のとおり、葉は4輪生です。 従来はゴマノハグサ科に分類されていましたが、APG分類体系ではハマウツボ科になっています。
 和名にある「シオガマ」は「塩竈」で、「浜で美しい」と「葉まで美しい」の洒落と言われています。 ところがこの「塩竈」には2つほどの説があります。 1つは浜で海水を沸かして製塩するかまどとする説で、能楽作品の一つ『松風』の舞台では潮汲み車が置かれることで海岸を表現しているのですが、実際に塩竈で塩を作る作業は熱い所での重労働でした。
 もう1つの説は、宮城県塩釜市の地名から来ているというものです。 塩竈の地は多くの和歌にも詠まれており、歌枕の地としても知られています。


 花は2唇形で、嘴のように尖った上唇の先は筒になっていて、この筒先からメシベが伸び出します。

(2016.7.21. 北八ヶ岳)

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