砂質土の地面に生えていたセンボンゴケ
Pottia intermedia です。 和名のとおり、たくさんの胞子体が出ていて、それに隠されて植物体があまり見えません。
横から見ると、ほとんどの植物体が胞子体をつけています。
植物体の枝分かれはほとんどありませんが、なかには上のようなものもあります。
葉の長さは約2mm、蒴柄は5mm前後、蒴は直立し、短円筒形です。
上は1枚の葉です。 少し折れ重なってしまいましたが・・・。
葉身細胞は全体的に大きいのですが、基部に向かうほど大きくなっています。 中肋は葉先から突出しています。 下は上の赤い四角の部分の拡大です。
葉身細胞は方形~短い六角形です。
葉はほぼ全縁ですが、稀に上のような微鋸歯が見られます。
所々、上の写真のような弱いまばらなパピラが見られました。
上は縦に裂いた蒴を押し潰し、帽とツボが離れかけているところを撮ったもので、下はその一部の拡大です。 蒴歯は無いか痕跡的です。 なお、褐色の丸いものは胞子です。
(2016.12.10. 堺市南区鉢ヶ峯寺)
(以下追記)
その後のセンボンゴケの様子を、ほぼ1ヶ月後の1月6日に同じ所に確かめに行ったところ、上の写真のように胞子を出しはじめていた蒴がありました。 胞子に粘着性があるのか、蓋のような役割をする蒴歯が無くても、胞子がすぐにこぼれ出てしまうような様子もなく、蒴の周囲にも胞子がくっついています。