2017-01-02

シェフレラの花と実

 シェフレラ Schefflera arboricola は、あまり病害虫もつかず、比較的耐寒性もあり、育て易い観葉植物としてよく出回っています。 ヤドリフカノキという和名もあるのですが、あまり使われず、属名の方がよく使われています。 なお、よくカポックという名前で呼ばれていますが、下に書くように、これは混同したことによる間違いでしょう。


 鉢植えのシェフレラが大きくなりすぎたので、数年前に自宅の庭に植えておいたところ、大きく育ち、花と実をつけました。 上がその花です。
 シェフレラはウコギ科に分類されていますが、花を見ると、なるほど同じウコギ科のヤツデなどともよく似ています。 ただしヤツデの花はオシベが4本のものが多いのに対し、シェフレラは5本のオシベの花が多いようです。



 実のつき方もヤツデの実によく似ています。 ただしヤツデの実は熟すと黒くなるのに対し、シェフレラの実は熟すと赤っぽくなります。
 シェフレラは台湾・中国南部の原産で、大きくなってもせいぜい 10mほどですし、茎がしっかりしていないので、大きくなると支柱無しでは傾いてきます。
 シェフレラはよくカポックとも呼ばれています。 しかし英語で Kapok tree と呼ばれているのは、南米の熱帯雨林原産の Ceiba pentandra で、高さは 45mにもなり、日本では植物園の大温室でもなければ育てられません。 たしかにどちらも葉は掌状複葉で似てなくもないのですが、シェフレラの小葉の先は円いのに対し、 Kapok tree の小葉は先が尖っています。 分類学的にもかけ離れていて、シェフレラは上記のようにウコギ科であるのに対し、Kapok tree はアオイ科です。 Kapok tree に比較的近いものの例として、同じ科のトックリキワタ Ceiba speciosa を挙げておきます。



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