2017-05-07

カシミールクマノゴケ


 上の写真、いろいろなコケに混じって、緑の濃い単子葉植物の葉のように見えるのが、カシミールクマノゴケ Theriotia kashimirensis です。 同属のクマノゴケはいつも水のかかるような所に生えているのですが、空中湿度は高そうでも、渓流からは少し離れていて水はかからない岩の上にありました。


 上の左右は同じカシミールクマノゴケで、湿った時(左)と乾いた時(右)の写真を連結したものです。 クマノゴケの葉は乾いてもあまり縮れませんが、カシミールクマノゴケの葉は乾くと上のように強く巻縮します。


 上は葉の一部で、中肋の部分は少し白っぽくなっています。 しかし通常の顕微鏡観察では、中肋は上のように不明瞭なので、コンペンセータ(検板)に鋭敏色板(λ=530)を使った偏光顕微鏡で、葉の先の部分と基部を撮ったのが下です。



 中肋は太いのですが、葉身部は葉の先近くでも見られます。

(2017.3.26. 徳島県海陽町 轟九十九滝)

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