2017-09-23
ヒメクジャクゴケの群落をフォーカスブラケットモードで
深度合成は群落を撮る場合にも使えます。 上はヒメクジャクゴケ Hypopterygium japonicum の群落ですが、TG-5のフォーカスブラケットモード(注1)で撮った20枚の写真をCombineZPで深度合成して作成しました。 作成した写真は4000×3000で、そのまま載せてもよかったのですが、あまりにも大きすぎるかと思い、ここでは1600×1200にしています。 PCの大きな画面をお持ちの方は拡大してご覧ください。 隅々までピントが合っているのがお分かりいただけるでしょう。
1600×1200で見ていただくには、写真上でクリックし、写真だけが表示された状態の写真上で右クリックし、「画像だけを表示」を選択し、表示された画像上でさらにクリックすると、本来の大きさの写真をスクロールバーを使って見ていただけるようになります。
元に戻る場合はブラウザの「戻る」ボタンを使用してください。
この写真を見て、どのような感想をお持ちでしょうか。 下の写真と比較してみてください。
上は深度合成に使った20枚の写真のうちの1枚ですが、自然と左方のヒメクジャクゴケに注目することになると思います。
良い写真とは余計なものを削ぎ落とし、いかに“主役”を引き立たせるかだと言われています。 “主役”をはっきりさせることで、その“主役”をしっかり見ることになります。 “主役”がはっきりしない写真は散漫な印象を与えてしまいます。
フォーカスブラケットには、このように、ピントを少しずつずらした写真を撮っておいて、そのうちのいちばん気に入った写真を選ぶという活用方法もありますし、たくさんの写真のうちの数枚だけを選んで深度合成するという方法も可能です。
上の2枚の写真、ヒメクジャクゴケの群落というものをしっかり見ようとするのか、ヒメクジャクゴケそのものをしっかり見ようとするのかで、どちらが良い写真かが決まってくるのではないでしょうか。 どんな場合でも隅々までしっかりピントの合った写真がいい写真だとは限らないと思います。
撮る側からすると、要は何を撮りたいのか、写真で何を伝えたいのかを明確にすることでしょう。 何を撮りたいのかという「意志」が先にあり、その次に、それを撮るにはどうすればいいのかという「方法」があるのだと思います。
(ヒメクジャクゴケは 2017.9.23.に大阪府和泉市の槇尾山で撮りました)
◎ ヒメクジャクゴケの細部のつくりはこちらに載せています。
(注1)【 TG-5 のフォーカスブラケットに関して】
フォーカスブラケットとはピントを少しずつずらせて連続して撮影する機能です。 TG-5 では顕微鏡モードのサブモードで FokusBKT を選択し、MENUボタンを押して撮影メニュー2の「Fokus BKT」を On にすると、1度のシャッターで何枚の写真を撮るのか(撮影枚数)と、ピントをどれくらいずらして撮っていくのか(フォーカスステップ)を、それぞれ3段階から選択できます。
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