2018-02-04

1月下旬のフデゴケ



 冬の寒さに耐えるフデゴケ Campylopus umbellatus、株の中央部の少数の葉を除くと、葉は黒褐色となり、芒の白さが目立っていました。 


 フデゴケとヤマトフデゴケはよく似ていて紛らわしいので、確認のために葉の断面を作ってみました(上の写真)。 上の写真の色が濃く細胞が数層になっている部分は中肋です。 フデゴケの中肋の断面では、中央の1列のガイドセルをはさんで、背面にも腹面にもステライドが見られます。
 前に載せたフデゴケの葉の断面(こちら)はカラカラに乾いた標本の葉で断面を作り、十分に水を吸っておらず、細胞の形がいびつなままでしたが、今回はそれよりは良い断面を作れたと思ったら、今度はピントがあまくなってしまいました (-_-;


 このフデゴケは、墓地で撮りました。 上の写真の中央付近の黒く写っているのがフデゴケです。 地形的に湿度が保たれるような場所にある墓地は、コケ観察にはなかなか良い場所です。 それぞれのお墓に入れられている土は、水持ちのいい土、水はけの良い土などいろいろで、それぞれに適したコケが育っています。 また、きちんと除草されますので、コケが他の植物に覆われることもありませんし、水も撒いてもらえます。

(2018.1.31. 堺市南区鉢ヶ峯寺)

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