写真はコツクシサワゴケ
Philonotis thwaitesii だと思います。 生えていたのは水の滴る岩上でした。 平凡社の図鑑では塊をつくって生える旨の記載があるのですが、上の写真のように、そのような生え方ではありませんでした。
配偶体と比較して、ずいぶんと大きな胞子体です。
葉の長さは 1.5mm前後で、葉は乾燥するにつれて次第に枝に接着していきます。
葉は水をはじきやすく(=気泡が入り易く)、プレパラート作成には苦労しました。 葉は披針形で、葉先は中肋のみになっています。
葉先を除いて葉縁の色が濃くなっています。 特に黒っぽくなっているのは空気が入っているためですが、色が濃くなったり空気が入り込んでいるのは葉縁が反曲しているからでしょう。
上は葉のほぼ中央の葉身細胞を、パピラにピントを合わせて撮ったもので、右方が葉先の方向です。 平凡社の図鑑には、「(葉身細胞の)腹面の上端に大きなパピラがあり、背面のパピラは下端にあって小さい。」と書かれています。 しかしプレパラートで腹面と背面を見分けるのは難しく、腹面のパピラも背面のパピラも上端にあるようにも見え、よく分かりませんでした。
下は同じ場所で葉身細胞にピントを合わせて撮ったものです。
葉身細胞の長さは 30~60μmほどです。
上は葉の基部です。
(2018.4.11. 京都市 西芳寺川)
◎ まだ丸くない若い蒴や無性芽の様子など、10月の様子を
こちらに載せています。 また、
こちらでは蒴の内部のつくりを観察しています。
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