2018-05-08

オオワラジカイガラムシ


 上はオオワラジカイガラムシ Drosicha corpulenta のオスです(2018.5.4. 堺自然ふれあいの森)。 オスの体長は5mm前後で、上の写真のものも 4.5mmでした。

 季節を遡り3月初旬、下は冬を越してきた幼虫(終齢幼虫?)でしょう。 体長は 7.5mmでした。(2015.3.6. 住之江公園)


 動いてはいませんでしたが、裏返すと脚も眼も確認できます(下の写真)。


 カイガラムシの仲間は移動しないものが多いのですが、オオワラジカイガラムシは終生歩行が可能です。



 温かくなると動きも活発化してきます。 上の2枚は幼虫で、なかなかかわいい目をしています(2018.4.27. 堺自然ふれあいの森)。 この幼虫の体長は 4.5mmでしたから、オスの幼虫なのでしょうか。


 上は脱皮中の幼虫です。(2016.4.22. 堺自然ふれあいの森)

 5月に入り、オスの成虫(1枚目の写真)が出現する頃、メスの成虫も出現するのですが、メスの成虫は幼虫をそのまま大きくしたような姿で、体長は1cm前後になります。
 産卵に適した場所を探すためでしょうか、メスの成虫は活発に動き回ります。


 これまで何度も書いてきたように、植物からの吸汁で生きようとすれば、少ない窒素源を取り込む必要から、炭水化物を過剰に取り込むことになり、余った炭水化物はワックスや甘露として放出されます。 オオワラジカイガラムシの場合も、温かくなると吸汁も盛んになり、体表を覆う白いワックスも増え、分泌される甘露を目的にアリが集まってきます。 上の写真のアリはテラニシシリアゲアリでしょうか、触角でオオワラジカイガラムシの体を叩いて甘露の分泌を催促しています。(2015.5.27. 岩湧山)

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