2018-05-03

カテンソウ

 この記事は、Part1の 2013.4.14.からの引っ越しに、写真と文を少し追加したものです。


 カテンソウ Nanocnide japonica はイラクサ科の小さな多年草です。 花は春、葉腋から伸びる雄花序には長い柄があります。 花粉を少しでも遠くに飛ばそうと、せいいっぱい雄花を高い位置で咲かそうとしているのでしょうか。 とにかく、雄花は葉の上に咲くことになりますから(上の写真)、目立ちます。 生育環境にもよるのでしょうが、雄花のツボミは赤~緑色で、特に赤いツボミのたくさんある中で白っぽいオシベが広がっていると、よく目立ち、なかなか美しいものです。
 上に書いたように、カテンソウは小さな植物です。 属名も、ギリシャ語の nannos(矮小)+cnide(イラクサ) です。 和名も漢字で書くと「花点草」で、この「点」は、オシベの白い葯を指すとする説がります。


  上は数個の花からなる雄花序のうち、1つの花が咲きかけている状態で、他はツボミです。 咲きかけている花では、5枚の花被片は開いていますが、オシベはまだ畳まれたままです。


 上の中央の雄花は、オシベが伸びきっていて、右上の葯は、もう花粉を出してしまって空になっています。 花の中央にメシベらしきものがありますが、花粉を受け取れるような雰囲気はありません。

 以上、よく目立つ雄花について書きましたが、雌花は・・・


 雌花序は、上部の葉腋から出て、短い柄の先に目立たない数個の雌花をつけます。 上の写真で白っぽいのが雌花の柱頭です。 上に向かって伸びているのが雄花序の柄ですから、その太さと比較して、雌花がいかに小さいかが分かるでしょう。


 雌花序は、全体が周囲と同じ緑色ですし、拡大しても白い柱頭がめだつばかりで、どうなっているのかよく分かりません。 雌花には4花被片があるらしいのですが、写真から4枚を確認するのは無理なようです。 ただ、花被片の頂の長毛の存在は分かります。

 以上は4月中旬に撮った写真ですが、4月下旬になると・・・


 まだツボミの雄花もたくさん残っていましたが、上の写真のように果実になりかけの雌花序も見られました。 上の写真ではメシベの柱頭は縮れて褐色になっています。


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