岩上を覆うように育っていたホンシノブゴケ Bryonoguchia molkenboeri です。 上へ上へと伸びていました。
大きさが分からないと別のものに見えてしまう可能性があるので、スケール代わりに揺籃なども入れて撮りました。
斜め上方から撮ると、平面的に分枝するトヤマシノブゴケなどとは異なり、枝が立体的に出ています。
茎は何年も伸び続けているようです。 上の写真の場合では、曲がっている茎を伸ばして測定してみると、長さは 15.5cmありました。
拡大すると茎にも枝にも毛葉がいっぱいで、茎葉も枝葉も基部は毛葉に埋もれているようです。
上は茎葉です。 茎葉は広卵形の基部から急に細く長く尖り、葉面には深い縦じわがあります。
毛葉が多く、プレパラート作成時にどうしても混入してしまいますが、上が枝葉です。 枝葉は茎葉よりずっと小さく、葉先は短く尖っています。
枝葉の波打っている所など、枝葉の葉身細胞を横から見える所を観察すると、葉身細胞の背面中央に1個の大型で牙状のパピラがあることが分かります。 平凡社の図鑑では、茎葉にも同様のパピラがあるように記載されていますが、今回は茎葉のパピラは確認できませんでした。 ただ、葉が小さくなるほどパピラが大きくなるような印象を持ちましたので、少し小さめの茎葉ではパピラが見られるのかもしれません。
上は茎葉の葉身細胞です。
上は毛葉で、枝分かれしています。
(2018.5.31. 青森県十和田市)
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