2018-07-06

菌類に侵されたエゾハルゼミ

 青森県の蔦温泉や奥入瀬にいた5月30日から6月1日の3日間、あちこちでエゾハルゼミの声が聴かれました。 写真を撮りたいと思うのですが、きこえる声は高い所からで、なかなか姿を確認できません。
 ところが、最終日に樹幹のコケを観察していたところ・・・


 地上から 1.5mほどの所にエゾハルゼミがいました(上の写真)。 しかし、近寄っても逃げず、あちこちの脚の節間に黄色い小さな塊がくっついています。 体に触れるとかすかに動きますが、とても飛び立てる状態ではありません。


 脚のあちこちの節間に見られる黄色いものは菌糸の塊でしょう。 体の中に菌糸がはびこっていて、胞子を散布するために柔らかい関節膜を狙って外に出てきているのか、体のあちこちに付いた胞子のうちの節間についたものが菌糸を体内に伸ばし、栄養を得て増殖しているのかはわかりません。

 もっと驚くものを見ました。


 上は交尾中の姿のまま、動けなくなっています。 たぶん1~2枚目の写真と同じ菌類によるしわざでしょう。 菌類に侵されたメスと菌類に侵されたオスが交尾を始めたのでしょうか。 そんな偶然はあるのでしょうか。 それとも交尾中に感染し、メスもオスも動けなくなったのでしょうか。 そんなに短時間で菌糸はセミの行動を止められるのでしょうか。


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