2018-08-05

クチバスズメ?に寄生したコマユバチ

Part1の 2013.8.20.からの引っ越し記事です。
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 ソメイヨシノの葉の裏に、綿に絡まったようなスズメガ科の幼虫がいました(2013.8.16.)。 クチバスズメの幼虫だろうと思います。 ダランとぶら下がっていますが、指で触れてみると、力強く頭を左右に振ります。 しかし体の後半は綿のようなもので固定されているのでしょうか、動けないようです。
 同様なものは前にも見たことがあり、綿のようなものは、スズメガの幼虫(宿主)に寄生していたもの(寄主)が宿主から脱出して作ったものでしょう。 指で触れると宿主が激しく動くのは、このような状態になっても、まだ寄主を守らされているのでしょう。
 葉ごと取って、地面の上で、もう少し調べることにしました。


 綿くずのようなものは密に絡み合っていて、中心部は思ったよりも固い状態でした。 それを少しほぐしたのが上の写真です。 綿くずの中にはコマユバチの繭がぎっしり詰まっていました。 下はもう少しほぐした状態の拡大です。


 繭を少しだけ持ち帰ったところ、2日後・・・



 成虫が次々と羽化してきました。 体の途中まで出るのは2~3秒かかりますが、そこから先は、体全体が出るのは一瞬です。 そして繭から出ると、すぐに元気に歩き回り、数秒後には飛び立ちます。



 出てきたのは上のようなコマユバチでした。 種名も属名も分かりません。 体長は、少し個体差があるようですが、3mm前後でした。
 容器の中で羽化させたのですが、はっきりとした正の走光性を示していました。 そして羽化のピークから1日半後、全部死んでしまいました。 もちろん餌も何も与えませんでしたが、思ったより短い寿命でした。
 死んだ個体で深度合成してみたのが下です。 少ない枚数で合成しましたので、あちこちで輪郭が二重になってしまいましたが・・・。


 上は背中側から撮ったものですが、頭部は横を向いていて、口は下側になります。 下は腹側からの撮影で、産卵管がよく分かります。 やはり顔は横を向いていて、口は上側です。


(写真の1~3枚目は奈良県 馬見丘陵で、他は自宅での撮影です)


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