上はチャツボミゴケ
Solenostoma vulcanicola と思われるものを、育っていた水中から取り出し、すぐに撮った写真です。
上は水中の様子です。 この川には硫黄泉からの水が流入しています。
チャツボミゴケは硫黄泉などの強酸性の水が流れる岩上や水中に群生します。 上は調べたものの育っていた所で、岩上の緑も水中の緑も、ほとんどが同種と思われ、岩は水に含まれる鉄イオンのためでしょうか、赤褐色になっています。
葉は円頭で、茎は葉を含めて幅2mmほどあります。
平凡社の図鑑ではチャツボミゴケの種別の解説はありません。 この図鑑の検索表によると、本種の葉は幅が長さと同じかより広いとなっていますが、今回調べたものでは、大きな葉でしかそのような傾向は見られません。 水中はガス交換が行われにくく、調べたものは葉と葉の間隔も広く、徒長ぎみのようで、生長が良くないのかもしれません。 岩上のものについても調べるべきでした。
上は葉身細胞です。
平凡社の図鑑の検索表では、葉身細胞の油体には眼点があるとなっていますが、これについてもはっきりしません。 しかし湯澤陽一先生の「福島県苔類誌」には油体は「眼点をもつ場合もある。」となっていて、やはり生長の様子と関係するのかもしれません。
このように、決め手となる根拠には欠けるのですが、生育環境や葉身細胞にトリゴンが無いことなどから、たぶんチャツボミゴケだろうと思います。
(2019.9.15. 長野県茅野市 渋川)
◎ チャツボミゴケは
こちらにも載せています。
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