葉先に黒っぽい無性芽をつけたコアミメギボウシゴケ
Grimmia brachydictyon です。 笠井氏に案内していただいた渓流の、花崗岩上の乾いた場所に、ゆるい群落を形成していました。
蒴はつけていませんでしたが、胞子よりも無性芽による増殖がメインである印象を受けました。
葉の長さは1~2mmほどで、茎の枝分かれはほとんどありません。
上は無性芽をつけた葉と、深度合成した葉先部分です。
無性芽をつけていない葉の葉先も拡大してみたのですが、どうやらついていた無性芽が取れた後のようです(上の写真)。 多くの葉がこのような状態でした。
平凡社の図鑑では、本種の種別の解説は無く、検索表にあるのみですが、その検索表に「葉の中肋背面に翼がある。」とあります。 これを確認するために、数枚の葉で中肋付近の横断面を作ってみたのですが・・・
上の3枚の写真の赤い円で囲った所など、膨れている所はあるのですが、「翼」というイメージではありません。
上は Noguchi(1988)に載せられていた本種の図の一部を切り取って整列させたものです。 「中肋背面の翼」とは、この図のようなものを指しているのでしょう。 今回調べた標本は、何らかの理由で“翼の発達”が悪かったようです。
上は茎の断面です。 中心束はありません。
(2019.11.21. 滋賀県高島市)
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