写真はキダチヒラゴケ
Homaliodendron flabellatum です。 朽木の上で育っていました。 本種は雌雄異株で、ここに載せたものは、以下に書くように、雌株でした。
小さくて見逃しがちですが、あちこちに胞子体がついていました。 上の写真の左側の蒴は蒴歯が見えていますし、右は帽が残っています。 胞子体の基部は苞葉に包まれています。
下はこの2つの胞子体を拡大したものです。
蒴柄の長さは2~3mm、帽は僧帽状で、上向きの長毛があります。
顕微鏡の光が透る程度に雌包葉を取り去り、蒴柄の基部付近を観察しました(上の写真)。 蒴柄の基部付近には生長しなかった卵細胞を持つ造卵器がたくさん見えます。 生長しなかったのは受精しなかったのか、受精しても生長が抑制されたのかは分かりません。 側糸も確認できました。
次に蒴をもう少し詳しく見ていきます。
口環は欠いているようです。 内蒴歯は高い基礎膜があり、線形の歯突起は外蒴歯とほぼ等長です。 外蒴歯には全面にパビラがあります。
胞子の径は 10~18μmです(上の写真)。
胞子体のついていた同じ植物体の、上の赤丸で囲った所には、葉に隠された色の濃い何かがあります。 下は葉を取り除いたうえで・・・
上は葉に隠れていたものの縦断面です。 5枚目の写真で見た造卵器がたくさん集まっています。 これを薄く切片にして顕微鏡で観察したのが下です。
(2020.2.23. 奈良市白毫寺町)
◎ キダチヒラゴケの葉の様子などは
こちらに載せています。
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