2020-06-05

ミクリ


 写真はミクリ Sparganium erectum でしょう。 和名は頭花の様子がイガのある栗の実に似ているところから実栗(ミクリ)となったようです。
 葉は鈍頭で、上部は花序を越えています。


 ミクリ属には数種あるのですが、この大きさで、上のように茎が分枝し、2個以上の花序をつけるのは本種(とその変種)だけです。


 上は雌性頭花で、たくさんの雌花が集まっています。 1つの雌花には1本のメシベと、その基部に3枚の小さな花被片があります。 上の写真で細かい毛を密生させているのは柱頭で、その下に花柱があり、花柱の基部は次第に太くなって子房に続き、子房の周囲を薄い膜のような花被片があります。


 上は雄性頭花で、たくさんの雄花が集まっています。

 ミクリは少し前までは水田の周囲などに普通に見られる植物でしたが、用水路がコンクリート製になったり除草剤の影響などで、とても少なくなってしまいました。

(2020.6.5. 大東市立野外活動センター)

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