2021-03-11

ヨウジョウクサリゴケ

 

 写真の葉上苔類、以下の観察からヨウジョウクサリゴケ Drepanolejeunea follicola だと思います。 分布は平凡社の図鑑では紀伊半島以南となっています。

 上は腹面から背片にピントを合わせて撮っています。背片は楕円形に近く、鎌状には曲がっていません。 背片の先端は鈍頭です。 背片には眼点細胞があるのですが、腹片や気泡に邪魔されて分かりにくくなっています。

 背面から撮ると、気泡に邪魔されない所では眼点細胞がよく分かります(上の写真の赤い円内)。 上の写真では眼点細胞は1個ずつですが、2個が縦に並ぶこともあるようです。


 上の2枚は腹片です。 腹片は楕円形で、先端が環状に曲がり、第1歯(歯牙)は大きな単細胞で、第2歯は不明瞭です。 透明細胞が歯牙のキールと反対側の縁にあります。


 上の2枚は腹葉です。 腹葉の裂片は基部が1~2細胞幅で、4~7細胞長です。 上の2枚の写真のうちの1枚目は、このような腹葉もあるということを示したもので、多くの腹葉の切れ込み部は、2枚目のように、広U字形~弓形に広く開いています。

 上は葉身細胞です。

こちらには胞子体をつけたヨウジョウクサリゴケを載せています。 また、ヨウジョウクサリゴケはこちらにも載せています。

(2021.3.3. 宮崎県日南市)


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