2021-08-10

ケクラマゴケモドキ

 上のコケは以下の観察の結果、ケクラマゴケモドキ Porella fauriei だと思います。 樹幹の根際で採集した他のコケにほんの少し混じっていただけですので、生育状況を示した写真はありません。 本州・北海道のブナ帯以上に分布します。
 上は乾いた状態で、背片が強く内曲していることもありますが、幅はいちばん広い所で1mmほどです。 本種は形態的にはニスビキカヤゴケと似ているのですが、色彩的には、生育環境にもよるのかもしれませんが、ニスビキカヤゴケのような濃い色ではなく、光沢もそんなにありませんでした。

 上は湿った状態を腹面から撮っていて、右上が茎頂方向です。 背片は円頭で、葉先に数歯があります。 湿らせても背片の内曲は上のように残ります。 腹葉は楕円形で、全周に歯があります。 ちなみに、ニスビキカヤゴケの腹葉は舌形です。
 上の写真では腹片は陰に入っていて、ほとんど写っていませんので、葉を1枚だけにした写真を下に載せておきます。

 腹片にも長い歯があります。

 上は葉身細胞です。

(2021.7.7. 秋田県 乳頭温泉郷 標高660m)

◎ ケクラマゴケモドキはこちらにも載せています。


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