2021-11-21

ナガヘチマゴケ

 北八ヶ岳の斜面に育っていた2021.10.7.撮影のコケ、以下の観察結果から平凡社の検索表をたどった結果は、ナガヘチマゴケ Pohlia elongata になりました。 近縁のヌマゴケ P. longicollis とはとてもよく似ています。
 野口(1988)によると分布は「日本の高山帯や亜高山帯で普通」となっています。

 上は乾いた状態です。

 上は湿った状態です。 乾いた状態とは別の株ですが、両者を比較すると、蒴柄の長さ、葉のつき方、葉形など、かなりの変異があります。

 長い蒴ですが、壺と頸部の長さを比較すると、野口図鑑によれば、本種は頸部が壺と同長か壺より長く、ヌマゴケは頸部が壺と同長か壺より短いとなっています。

 上は蒴歯を蒴の内側から撮った写真です。 内蒴歯は外蒴歯とほぼ同じ高さで、内蒴歯の歯突起より短い間毛があります。

 蒴の頸部にはたくさんの気孔が見られます。 上はそのうちの一部で、気孔が3個写っています。

 上は葉です。 中央部の葉縁は反曲する傾向にあるようです。

 葉の上部には小歯があります。 中肋は葉先から少し飛び出ています。

 上は葉の下部の葉身細胞です。

 上は葉の下部の中肋付近の横断面です。

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