2022-10-27

コモチミドリゼニゴケ

 不規則に分枝しながら(①)地面に広がる上の写真のコケは・・・

 拡大すると、葉状体の縁に近い背面にたくさんの無性芽らしきものをつけています(上の写真)。
 とりあえず、葉状体の断面を観察することにしました。

 上は葉状体の断面で、片側の 1/3ほどは写っていません。 中肋部は不明瞭で、仮根は腹面中央部から出ています(②)。
 採集した状態の葉状体は柔らかすぎて、なかなかうまく切れませんでした。 上はいったん乾かしたものを切っています。
 下は上の一部の拡大です。

 葉状体の細胞は薄膜でトリゴンはありません。 これらはスジゴケ科の特徴です。

 上は本種(右上)の大きさを示すため、ホソバミズゼニゴケ(左上)やゼニゴケ(左下)と混生している様子を示した写真です。 スジゴケ科でこのように大きく、上で見てきたように①不規則に分枝し、②仮根が中央部から出ているのは Aneura(ミドリゼニゴケ属)です。 そしてこの属で無性芽をもつのはコモチミドリゼニゴケ Aneura gemmifera です。 平凡社によると、分布は関東以西となっています。


 上の2枚は無性芽です。 本種の無性芽は棍棒状です。

(2022.10.25. 兵庫県三田市)

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