2023-01-23

テガタクサリゴケ

 葉上で育っていた写真のコケ(2023.1.17.撮影)、平凡社の検索表をたどるとテガタクサリゴケ Drepanolejeunea dactylophora になるのですが、種別の解説はありませんし、分布は屋久島のみとなっています。 道盛氏からいただいた服部植物研究所報告第24号(1961年)を見ても、熱帯地方では珍しくないが、日本では屋久島のみから知られ非常に稀となっていますが、モノグラフや記載内容は以下の観察結果とよく一致します。

 上は背面から、下は腹面から撮っています。

 茎の幅は葉を含めて約 0.3mmです。 葉は鎌状に曲がり、眼点細胞が散在しています。 背片は全周に大きな鋸歯があり、腹片は背片の 1/2~2/3の長さです。

 上は背片です(腹片は裏に回っています)。 背片の先端は鋭頭~鋭尖です。

 上は腹片です。 第1歯は1細胞で曲がり、第2歯は不明瞭、透明細胞が歯牙のキールと反対側の縁にあります。

 上は腹葉です。 裂片は広く開き、3~4細胞長です。

 葉身細胞は 8~15×8~10μm、小さなトリゴンがあります。 油体は微粒の集合です(上の写真:中央やや右の色の濃い細胞は眼点細胞です)。

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