2023-09-23

シラウオタケ

 

 北海道・雄阿寒岳山麓で見たシラウオタケ Multiclavula mucida です(2023.9.9.撮影)。 倒木に生えるきのこで、若い時は真っ白ですが、古くなると先端部が褐色になってきます。
 子嚢菌のような姿ですが、近年の分子系統解析の結果は、担子菌類のアンズタケ目とするのが妥当だろうということになっています。 子実層は子実体表面の少しうねっているようにみえる所に作られるようです。
 上の2枚の写真でもそうですが、本種の生えている周辺は緑藻で緑色になっています。 本種はこの緑藻に菌糸を絡ませ、緑藻と共生していることが知られています。

 地衣類は菌類が藻類を取り込んだ共生体です。 上の写真も地衣類が子実体を出している姿と見ることができます。 つまり本種は地衣類でもあるわけで、地衣類として「キリタケ」という名前も持っています。
 藻類と共生関係を持つ子嚢菌類は多いのですが、担子菌類は本種を含め数種がしられているのみです。

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