2023-10-09

ハナビラタケ


 上は北海道の阿寒の森で見たハナビラタケ Sparassis latifolia です(2023.9.9.撮影)。 大阪付近でよく見るハナビラニカワタケ Phaeotremella foliaceaとよく似ていると思って調べてみて驚きました。 前者はハラタケ綱タマチョレイタケ目ハナビラタケ科で、後者はシロキクラゲ綱シロキクラゲ目フェオトレメラ科、なんと科どころか、綱まで異なる“他人のそら似”! 綱が異なるというのは動物で例えると、哺乳類と鳥類ほどの違いです。 もっともこれは、シロキクラゲ綱が担子菌の中では早くに分かれた系統で、担子器のつくりが異なるということなのですが・・・。
 両者は発生する材も異なり、本種は針葉樹に発生するのに対し、ハナビラニカワタケは広葉樹(稀に針葉樹)に発生します。 ですから、大阪付近ではハナビラニカワタケをよく見るのに対し、気温の低い阿寒の針葉樹林帯では本種がよく見られることになります。
 もう一つの驚きは、本種の分類されているタマチョレイタケ目というのは、サルノコシカケなどの属するグループということです。 柔らかそうに見えるのに・・・。 きのこの分類も、肉眼レベルの違いとはかなりかけ離れていて、ほんとうに難しいですね。

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