2024-10-04

蒴をつけたゴレツミズゴケ

 8月下旬の北八ヶ岳と9月上旬の北海道・然別湖周辺で、多くのゴレツミズゴケの群落に出会いました。 どちらの場所でも、ちょうど植物体の紅葉が始まる時期で、日あたりなど群落の存在する環境によって、まだ緑の群落から、真っ赤に染まった群落までありました。 また、胞子散布の始まる時期であったようで、まだ偽足の伸びていないものから既に胞子の散布を終えた胞子体まで、さまざまな状態の胞子体を見ることができました。

 上はまだ偽足の伸びていない状態です。 若い胞子体は、まだ緑色です。

 上の群落では、手前の胞子体はまだ胞子を飛散させていませんが、写真左上の胞子体は既に胞子の射出を終えています。

 和名は枝葉が枝の周囲に明瞭に5列につく部分があるところからで、そのような開出枝は5角柱のような形になります(上の写真)。

 上は枝葉です(メチレンブルーで染色)。

 上は枝葉上部の腹面で、下はほぼ同じ場所の背面です。 撮影の倍率は同じです。 比較すると・・・

 枝葉の透明細胞の腹面には孔がありませんが、背面には縁の厚い孔があります。 また、葉緑細胞は腹面の方が幅広くくっきりとしています。 これは葉緑細胞が二等辺三角形で、底辺が腹面側にある(腹面側に広く開いている)ためです。

 上は枝葉の横断面です。 上に書いたように、葉緑細胞は二等辺三角形で、底辺が腹面側に広く開いています。

 上は開出枝の横断面で、左側に枝葉の一部がついています。

 上は、葉の左側(写真の上側)が少し欠けていますが、茎葉です。 葉縁の舷は上方で狭く、下方では葉の幅の半分程度まで広がっています。

 上は茎の表皮細胞です(メチレンブルーで染色)。 ふつう上の写真のように孔はありませんが、上端に孔がある細胞が少し混じる場合もあるようです。

 上は茎の横断面です。 表皮細胞は2~3層です。

◎ ゴレツミズゴケはこちらにも載せています。


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