2015-01-17

ヒイラギモチにいたルビーロウカイガラムシ


 小正月も過ぎたのにクリスマスに関する話題に触れるのもはばかられますが・・・。 クリスマスリースなどに使うモクセイ科のヒイラギは代用にすぎず、“本物”にはモチノキ科のセイヨウヒイラギが使われているという話は、以前書きました(こちら)。 上はそのセイヨウヒイラギに近いヒイラギモチ(=シナヒイラギ)です。 葉形は、伸び盛りの枝に付く葉は多くの植物に見られるような形をしていますが、それ以外の枝に付く葉は四隅に刺を持つ長方形のような形になります。


 ヒイラギモチは年末には赤い実と共に、上の写真のように翌春に咲く花の蕾をたくさんつけています。


 この蕾に混じって、ルビーロウカイガラムシが付いていました。 この蕾とルビーロウカイガラムシの色はたいへんよく似ています。 ルビーロウカイガラムシは他の木にも付きますから、偶然だとは思いますが、まるで蕾に擬態しているように思えました。


 ところで、ルビーロウカイガラムシには、所々に白い線が入っています。 上の写真は拡大していますから、肉眼的には、この白い部分が無ければ、もっと蕾に似てくるのですが・・・。
 じつはこの白い線はデタラメについているのではありません。 線の本数も4本と定まっています。


 上はクロガネモチの実に付いたルビーロウカイガラムシを、ほぼ真上から見たものです。 白い線は左右対称の位置に2対見られます。
 ルビーロウカイガラムシはカタカイガラムシ科に分類されています。 カタカイガラムシの一種を以前ブログに載せています(こちら)が、その時の写真と比較すると、この白い線の部分は胸部気管孔の位置に対応しています。
 ルビーロウカイガラムシの体の大部分を覆って保護している赤紫色のロウ物質には、胸部気管孔に通じる溝があり、そこには粉状の白いロウ物質が蓄えられています。 ルビーロウカイガラムシはこの粉状の白い物質の隙間を通して呼吸しているのだと考えられています。

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