2015-03-17

人の手に乗るスズメ

 私の学生時代、何かの本で、ヨーロッパではスズメが人の手にとまって餌をもらうという記事を読みました。 今でこそ、野鳥に餌を与えることはいろいろ問題があり、注意が必要だと理解していますが、当時は単純に、日本よりヨーロッパの方が身近な自然との親密度が高いと、うらやましく思っていました。

スズメ Passer montanus

 その後、スズメには、イエスズメスズメニュウナイスズメの3種類がいることを知りました。 少し極端な言い方をすれば、イエスズメ( Passer domesticus )は街のスズメ、スズメ( P. montanus )は田舎のスズメ、ニュウナイスズメ( P. rutilans )は森林のスズメで、この順に人に慣れにくいと聞きました。 つまりヨーロッパの公園などで人の手や肩に乗って餌を食べるスズメとはイエスズメであって、日本で多く見られる普通のスズメではなかったのです。 このことを知ってから、日本のスズメ( P. montanus )は人の手には乗らないと思い込んでいました。
 ところが先日、淀川の河川敷で、下のような光景を見てしまいました。



 野鳥に餌を与える問題の良し悪しはともかく、人の手に乗るスズメの行動に驚きました。 スズメの習性が変化してきている(こちら)ようですが、これも人と鳥との関わり方の時間の蓄積なんでしょうね。 ヨーロッパの公園にいる人懐こいイエスズメも、長年にわたって保護されてきたからで、保護されていない地域にいるイエスズメは警戒心が強いようです。 慣れ易さに違いはあっても、人に慣れる鳥と慣れない鳥という線引きは無理だということでしょうね。

2 件のコメント:

  1. こんばんは。
    美しい写真ですね。
    優しい写真で、スズメの質感が自然で一見単純化しそうな羽根の色が、
    ちゃんと複雑で繊細なのが良く判ります。
    なんて、描写が飛んでしまうような羨ましい状況。
    しかもスズメ!!もっともらしく日本ではスズメは食料とした過去があるのでスズメの遺伝子に
    人は敵として刷り込まれているので慣れないとか言われていましたよね。
    野生の動物・・うんぬんはスズメの場合も通用するのか?・・・なんて考えは置いといて羨ましい。
    河川敷のような開けた場所で慣れる・・・何か特別な要因があったのでしょうか?
    カモメやセキレイ、ヒタキやヤマガラなら人を恐れぬ個体は、たまに見かけますけど。

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    1. うすのきさんに写真を褒められると、とてもうれしいです。ありがとうございます。

      多分このケースは、ドバトに餌を撒いていて、そこにスズメも加わり、互いの餌取り競争で次第に人の手に近づいてきたのではないかと思います。
      写真の手の人は、ドバトも手に乗ろうとするのですが、ドバトが近づくと手を引っ込めていました。

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