写真は樹幹についていたカラヤスデゴケ
Frullania muscicola です。 上から見ると、卵形の葉が次々と倒瓦状に重なって長く伸びています。 カラヤスデゴケは変化の幅が大きいということですが、写真のものの幅(左右の葉+茎)は、広い所で 1mmほどでした。
ヤスデゴケの仲間は、ほとんどの場合、写真のように赤味を帯びています。
カラヤスデゴケは雌雄異株で、写真のものは雌株です。 上は1枚目の写真の胞子体をつけている部分を拡大したものです。 蒴は長さも幅も 0.5mmほどでした。
上は既に蒴が割れている1つの胞子体を拡大したものです。 蒴は4裂します。 割れた蒴の内側に見える糸状のものは弾糸でしょう。
(裂開した蒴の深度合成した写真を
こちらに載せています)
上は腹面から見たものです。 カラヤスデゴケの葉は背片と腹片から成り、腹葉があります。 腹葉は1/3まで2裂しています。
ところで、上の写真は、それまでの写真に比較して緑色が強くなっていますが、その理由は
こちらで考察しています。
上は腹片の形態を理解するために、5枚の顕微鏡写真を深度合成したものです。 写真には腹葉も写っているのですが、いろんな位置の細胞にピントが合っているために、区別がつかなくなってしまっています。
※ カラヤスデゴケ(雄株)の雄花序やさまざまな腹片の形態などは
こちらに載せています。 また、
こちらでは苔類一般の腹片についてや、カラヤスデゴケのさまざまな形態をとる腹片の相互関係などについて書いています。