重なり合って茂る苔、色や形などからすると、ヤスデゴケ科のようです。 下は枝分かれの様子が分かるように、1本の枝を取り出したものです。
もう少し拡大すると・・・
葉に葉脈に似た1本の線が走っています。 これは眼点細胞(オセルス)が列をなしているものです。 眼点細胞は苔類の葉に見られますが、このように列をなすのは、シダレヤスデゴケや同属のアオシマヤスデゴケの特徴の1つです。 葉は内曲していて先端の見えないものが多いのですが、見えるものや下の写真からは葉の先端は鋭尖であることが分かります。 アオシマヤスデゴケの葉は円頭ですから、シダレヤスデゴケ(
Frullania monilliata )ということになります。
上は、気泡がたくさん入ってしまいましたが、腹面から見たものです。 筒状もしくは筒状になる手前の腹片があり、腹葉は横幅が茎の径の2.5~3倍の卵形~楕円形で全縁、先端の1/4~1/5が2裂しています。 背片の眼点細胞の列も、うっすらと見えています。
上は眼点細胞を撮ったものです。 左下から右上に並んでいるのが眼点細胞です。 眼点細胞は油体の充満した細胞ということです。
(2015.7.15. 高槻市摂津峡)
◎ シダレヤスデゴケは
こちらにも載せています。 また、ヤスデゴケ科の腹片の腹縁基部にはスチルスと呼ばれる糸状のものがありますが、シダレヤスデゴケのスチルスを
こちらに載せています。