2015-08-04

アブラゼミの抜け殻

 前にクマゼミの抜け殻は“でべそ”の存在で分かると書きました(こちら)。 アブラゼミの抜け殻では、クマゼミの“でべそ”の位置は少し膨らんではいるものの、クマゼミのような“でべそ”ではありません(下の写真)。 しかしそれだけではクマゼミではないことは分かっても、ミンミンゼミなど他のセミの抜け殻とは区別できません。

アブラゼミ抜け殻の胸部腹面

 じつは触角を見ると、アブラゼミの抜け殻を他の大きなセミの抜け殻と区別できます。

アブラゼミ抜け殻の頭部

 上はアブラゼミの抜け殻の頭部です。 1対の触角がありますが、アブラゼミの触角は、他のセミに比較して、毛が多く太い触角です。
※ 上の写真の右端に少し見えている白い糸状のものについては、こちらをご覧ください。

アブラゼミ(上)とクマゼミ(下)の抜け殻の触角の比較

 上の写真は、上がアブラゼミの触角で、下がクマゼミの触角です。 太さだけでも区別できそうですが、じつはアブラゼミとクマゼミでは、触角の節の数が異なります(水色の数字)。 ただし、クマゼミの第7節と第8節は、ルーペが無いと確認が難しいかもしれません。
 大きなセミの抜け殻のなかでは、ミンミンゼミの触角も7節です。 しかし、ミンミンゼミの触角は細く毛が少ないほか、アブラゼミの触角の第3節は第2節の1.5倍ほどの長さがあるのに対し、ミンミンゼミの触角では、第2節と第3節の長さはほぼ同じで、太さは第3節の方が明瞭に細くなっています。

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