石垣の深めの凹みに土がたまり、そこに育ったツチノウエノコゴケ(
Weissia controversa )です。 湿っている時は上の写真のように葉は放射状に広がっていますが・・・
乾くと上の写真のように巻縮します。
和名に「コゴケ」とあるように、葉は2mmほど、蒴も長い帽を含めても2mmほどの大きさですし、葉の色は明るい緑で蒴柄も黄褐色で、かろやかな印象を受けます。
上は雌苞葉です。 披針形~線状披針形で、縁は上部半分ほどが狭く内曲します(写真では色が濃くなっています)。 普通葉は雌苞葉より短いのですが、葉身細胞の様子や葉縁の様子など、基本的なつくりは同じです。
上は葉の背面から上部の縁を撮ったものです。 倍率は 40×10ですので、かなり小さな細胞から構成されています。 黄緑色の濃い部分が内曲している部分で、葉の縁は細胞の背面が連なっていることになり、凸凹しているように見えるのは、パピラが存在しているからです。
上の写真は葉の基部近くを撮ったもので、5枚目の写真と同じ倍率です。 基部近くでは大きな細胞になります。
(2015.12.22. 堺自然ふれあいの森)
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こちらではほぼ成熟した蒴の様子などを載せています。
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蒴も蒴柄も古く褐色になってしまったツチノウエノコゴケがあったので、下に追加しておきます。
(撮影 : 2016.7.13. 京都市 西芳寺川)