2020-02-19

ツチノウエノコゴケ


 上の写真は2種類のコケが混生しています。 葉が細長く蒴が低く丸みを帯びているのがトジクチゴケ Weissia exerta で、それよりも葉が幅広く短く、細長い蒴が高く突き出しているのがツチノウエノコゴケ Weissia controversa でしょう。 両者は同属ですが、このように近い仲間が混生していることは、コケの世界では稀ではないようです。
 蒴柄は黄色から次第に褐色みを帯びてくるようです。


 葉は乾くと巻縮します(上の写真)。 蒴柄は上の写真では5mmほどですが、もう少し長くなる場合もあるようです。


 上は胞子体をつけていない配偶体です。 葉は上部の縁が狭く内曲しています。


 上は葉先付近です。 中肋は短く突出していますが、突出しない場合もあるようです。 黒くなっている所はパピラの隙間に入り込んだ空気の残っている部分です。


 上は葉の基部から葉長へ1/3ほどの所です。 上部の丸みを帯びた方形の細胞にはパピラが見られますが、矩形に移行するとパピラは見られなくなり、基部近くの細胞は透明で、しばしばV字形に配列します。


 上は葉の中央部の葉身細胞です。 それぞれの細胞に、先が分かれた複数のパピラがあります。


 蒴には蓋も帽もあります。 口環は赤みを帯びています。


 蒴歯の先端に胞子がくっついてしまいましたが、蒴歯は披針形で鈍頭、小さなパピラに覆われています(上の写真)。


 上は胞子で、表面には細かい突起が見られます。

(2020.2.12. 兵庫県三田市)

こちらではもう少し若い蒴をつけた本種で、雌苞葉などを見ています。

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