2016-03-21

ヒメアカタテハの蛹に寄生していたアオムシコバチ


 写真はコガネコバチ科のアオムシコバチ Pteromalus puparum だろうと思います。 キアゲハの(と思われる)蛹ヒメアカタテハの蛹(下に追記あり)から出てきました。 蛹の壁を破って脱出するためでしょうか、なかなか立派な牙を持っています。


 上は宿主となった蛹です。 11月の時点では美しい金色でしたが(下記追記)、今は写真のような色になり、コバチの脱出口があちこちに開けられています。 


 羽化に気付くのが遅れ、上の写真のように20頭ほどが既に絶命していましたが、20頭ほどが生きていました(逃げられるなどで、正確な数は分かりません)。
 上の写真には2種類の個体が写っています。 体色が暗く大きい方は体長が3mmほどで、体色が明るく小さいタイプは体長が 2.5mmほどです。 大きい方がメスで、小さい方がオスだろうと思います。

 1枚目の写真のオスはこの後蛹から離れ、3枚目の写真の所を通る時に死んで横向きになっているメスを認識したらしく・・・・


 自分も横向きになって、メスの触角をチェックして何かを確認するような行動と、


 交尾しようとするような行動を繰り返していました。

 以下、生きているメスも載せておきます。 2枚は私の手の上です。




(撮影:2016.3.19-20.)

(以下、2016.3.23.追記)
 昆虫写真家の新開孝さんから、蛹はヒメアカタテハのものだろうとのコメントをいただき、訂正しました。 アカタテハの蛹からも同種と思われるコガネコバチが出てきたことがあるそうです。
 この蛹は「堺自然ふれあいの森」のスタッフの方が見つけられたもので、たしかに近くにはヒメアカタテハの食草であるヨモギのたくさんある所です。 昨年11月14日の発見当時の金ピカの写真もいただきましたので、下に載せておきます(明るさなどは補正しています)。 寄生されているとは思えない美しさです。


  もうひとつ、偶然ですが、昨日久しぶりに街に出て、コメントをいただいた新開孝さんの最近発行された本を購入したところでした。


 今年の2月12日発行の「虫のしわざ観察ガイド」(文一総合出版)で、葉の食痕や虫こぶなどから、それを行ったヌシを知る内容です。 昆虫の種類は多く、その昆虫が残した痕跡はきわめて多様で、これまでに類書は無く、私のこれからの観察にも役立ちそうな本です。 発売当初から気にはしていたのですが、近くの書店には置かれず、昨日の購入になりました。

2 件のコメント:

  1. ご無沙汰しています。写真の蛹は、ヒメアカタテハかと思われます。アカタテハ蛹からも同種と思われるコガネコバチが出てきたことがあります。

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    1. ご無沙汰しています。ご指摘ありがとうございました。「ヒメアカタテハ 蛹」で検索すると、たくさん出てきますね。さっそく訂正しておきます。

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