上はカラフトキンモウゴケ
Ulota crispa でしょう。 蒴は葉の上に出ています。 六甲山の標高400m付近に植栽されていたユリノキの樹幹の、地上1.5mほどの所に塊になってついていました。
帽には上向きの長毛(金毛)があります。 葉に関しては、同じタチヒダゴケ科の、
タチヒダゴケなどタチヒダゴケ属の葉が乾いた状態では縮れずに茎に接するのに対し、キンモウゴケ属の葉は上の写真のように乾くと巻縮します。
上は湿らせた状態で、葉の巻縮はなくなっています。 蒴柄の長さは2mmほどで、葉の長さは2~3mmです。
帽を外してみました(上の写真)。 蒴は倒卵形で長い頸部があります。
上は胞子を出してしまった蒴で、8本の縦の条ができています。 反り返っている蒴歯は16本あるのですが、対になっていて、8本のように見えます。
葉は広楕円形の基部から披針形に伸びてほぼ全縁、中肋は葉先に届いています。
上は葉の基部を撮ったものです。 葉の基部の縁には数列の透明な細胞があり、その細胞の細胞壁は縦方向が薄く横方向が厚くなっています。
上は葉のほぼ中央付近の葉身細胞の様子を見たものですが、写真の上の方は、葉がねじれていて細胞をほぼ横から見ています。 この写真のように、葉身細胞は丸みを帯びていて、厚壁で、表面には1~2個のパピラが見られます。
(2016.5.5. 神戸市立森林植物園)
◎ 1月下旬に撮ったカラフトキンモウゴケの様子を
こちらに載せていて、水をかけた時の変化を動画にしています。