上はホンモンジゴケ
Scopelophila cataractae でしょう。 ホンモンジゴケの名前は、最初に池上本門寺でみつかったことによります。 銅で作られ五重塔の相輪から流れ出た銅イオンが緑青として石垣を青く染めていた所にあったようです。
多すぎる銅イオンは生物にとって有害です。 ホンモンジゴケは銅イオンの悪影響を減少させるしくみを持っているようで、他のコケが生育できない銅イオンの多い環境でも生きていくことができるようです。
葉は1.5~2mmほどのものが多いようです。 中肋は葉先近くに達しています。
上は葉の中部~上部の細胞です。 葉縁に近い数列の細胞は厚壁です。
ホンモンジゴケは無性芽を作ります。 上は遊離した無性芽です。 なお、ホンモンジゴケは、鉄イオンの多い環境でも生きていける
イワマセンボンゴケと同属のコケですが、イワマセンボンゴケは無性芽を作りません。
※ イワマセンボンゴケとの葉の形態の比較を
こちらに載せています。
ここに載せたホンモンジゴケは、KOBEコケ展に出展されていたものです。 育てておられた方から少しいただきました。
------( 以下、2016.10.12.追加 )-----------------------------------------------
ホンモンジゴケは銅屋根の下でよく見つかります。 上は京都・貴船神社の奥宮ですが、矢印の所にもありました。 下はその拡大です。