ホンモンジゴケ Scopelophila cataractae とイワマセンボンゴケ S. ligulata は同じ属で、前者は銅イオンに対して、後者は鉄イオンに対してという違いはあるものの、どちらも金属イオンに対する耐性があります。 そして外部形態もよく似ています。
今回はこの両者の形態を、葉を中心に比較してみました。
左がホンモンジゴケ、右がイワマセンボンゴケです。 色は生育環境によって異なり、上の写真ではイワマセンボンゴケの方が濃色ですが、いつもそうであるとは限りません。
上のように並べて拡大すると、ホンモンジゴケの方が葉先が尖っているようですが、イワマセンボンゴケも、もう少し尖る場合もあります。 平凡社の図鑑の検索表では、ホンモンジゴケの葉先は鋭頭、イワマセンボンゴケの葉先は鈍頭~鋭頭となっています。
上の2枚はホンモンジゴケの葉と葉先、下の2枚はイワマセンボンゴケの葉と葉先です。
どちらの葉も基部には大型で薄壁の透明細胞群があり、また、どちらの葉身細胞も丸みを帯びた方形~短い矩形で、よく似ています。
上はホンモンジゴケの、下はイワマセンボンゴケの葉の横断面です。
中肋の横断面で、ステライドの腹側(写真の上側)に大形の表皮細胞が、ホンモンジゴケでは2層あるのに対し、イワマセンボンゴケは1層です。
(2018.11.14. 大阪府豊能郡豊能町)
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