2016-09-22

イノコヅチの花の“作戦”?

 イノコヅチの果実はひっつきむしとしてはよく知られていて、もちろん果実ができる前には花が咲いているのですが、小さな花に気付かない人は多いでしょう。 その小さな花に複数種のハチが来ていました。 しばらく見ていると、小さなハエの仲間やシジミチョウなども訪花していましたが、やはりハチの仲間が多いようです。

ミカドトックリバチ

キンケハラナガツチバチ(オス)

 小さな花に似合わない大きなハチがつかまって、細長い穂状花序は垂れ下がってしまっています。 最初は「こんな目立たない花にも虫が来るんだ!」と感心していたのですが・・・
 以下はまだ妄想的な考察レベルですが、目立たない小さな花はイノコヅチの“作戦”かもしれないと思いはじめています。
 植物は同種の花に花粉を運んでもらって受粉することにこそ意味があります。 いろんな虫に来てもらっても、花粉を別の植物に運ばれては、花粉が無駄になるだけです。 そこで、あまり目立たないけれど学習能力の高いハチには分かる花を咲かせているのではないかと思うのです。 小さな花ですから蜜も少なく、ハチは次々と別のイノコヅチの花に移動するでしょう。
 イノコヅチは小さな花を次々と咲かせますが、1つの花の咲いている期間は短く、1つの株に注目すれば、咲いている花はごく少数です。 これも同じ株の花に受粉するのではなく、別の株に花粉を運んでもらうにはいい方法のように思います。

(2016.9.16. 堺自然ふれあいの森)

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