雌器托をつけたフタバネゼニゴケ
Marchantia paleacea ssp.
diptera の群落がありました。 この雌器托の裏を見ると・・・
上の写真では、雌器托の下には包膜に包まれたたくさんの胞子体が見られます。 この胞子体は受精卵が細胞分裂を繰り返して形成されます。
フタバネゼニゴケはゼニゴケと同じ
Marchantia属です。 ゼニゴケの精子が卵細胞にたどりつくしくみは
こちらで考察しましたが、同属のフタバネゼニゴケでも同様のしくみがあるはずです。 精子の通り道を確認してみました。
下の写真は上の水色の線で示した所の、その下の最後の写真は上の赤い線で示した所の断面です。
上は雌器托の柄の断面です。 ゼニゴケ同様、上の写真の下方には1対の仮根束が存在します。 上の写真では切片が厚すぎて、1本1本の仮根の断面は確認できませんが・・・。
毛管現象によって、精子はこの仮根束の中を上昇して卵細胞にたどり着くのでしょう。
上は胞子体をぶら下げている部分の雌器托の断面です。 仮根束が胞子体のすぐ近くにまで、つまり造卵器のあったすぐ近くにまで来ています。 上の写真の仮根束は赤紫色で、美しく分かり易いですね。
(2017.6.7. 大津市坂本)
◎ フタバネゼニゴケの和名の由来となった未授精の場合の雌器托の姿は
こちらや
こちらに、また葉状体や杯状体(無性芽器)については
こちらに載せています。
0 件のコメント:
コメントを投稿