2017-08-27

オオヒラツボゴケ


 このコケも大阪市立自然史博物館の特別行事「標本の名前を調べよう」で教えてもらったコケで、川の縁の岩上に育っていたハイゴケ科のオオヒラツボゴケ Ectropothecium zollingeri です。 上の写真の左上の褐色の部分は落ち葉です。 平凡社の図鑑では「山地のぬれた岩上に多い。」とあるのですが、ネットで検索してみると、いろんなリストには名前が挙げられていますが、写真入りで取り上げている所は見つけられませんでした。 コケの専門家でないと同定が難しいのでしょうか。





 翼部と茎や枝との境に大型で透明・薄壁の細胞が1個あります。 これはこの属の特徴のようですが、観察するのはなかなか難しく、平凡社の図鑑には、「(葉を茎につけたままのほうが調べやすい)」と、図鑑には珍しい観察方法まで書かれています。 上の3枚の写真はそのようにして撮ったのですが、葉が重なっている所は見えませんし、葉のついている角度によっても見えなくなります。


 ハイゴケ科の葉は歯を持つものが少ないのですが、オオヒラツボゴケの上部の葉縁には細かい歯があります。 中肋は2叉し、葉長の1/2以下です。


 葉身細胞は線形で、長さは 50~80μmです。

(2017.8.5. 堺自然ふれあいの森)

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