2017-11-29

クビキリギス


 大顎をいっぱいに広げたクビキリギス Euconocephalus thunbergi、噛まれると痛そうです。 顎の力は強く、噛みつかれた状態で強く引っ張ると首が引きちぎれるのが和名の由来です。 口の周囲が赤いことから「血吸いバッタ」の俗称もありますが、食性は雑食であるものの、植物食の傾向が強く、強力な顎は種子などを食べることにも役立っているようです。


 とまっている姿勢は、いつも上のようで、尖った頭部の頂を前に突き出し、下を向いているように見えます。
 バッタ・キリギリスやコオロギの仲間は秋に産卵して死んでしまうイメージが強いのですが、このクビキリギスなどは夏に孵化して秋に成虫になり、そのまま越冬して翌年の春に交尾・産卵します。 ですから、写真の個体も新鮮です。


 新鮮な個体であっても、昆虫は変温動物です。 温度が低いと活動は鈍ります。 写真の個体も容易に捕まえることができ、上の写真も葉にとまらせて撮ったのですが、飛んで逃げたくても体の自由がきかないようで、さかんに震えて体温を上げようとしているようでした。

(2017.11.28. 堺自然ふれあいの森)

 クビキリギスの体色は、上のような緑色の他に、褐色の個体もいます。 こちらには褐色の個体や、体色が終齢幼虫時代の湿度で決まることなどを載せています。

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