畑のすぐ近くにあったアゼゴケ
Physcomitrium sphaericum です。 前に載せたアゼゴケの蒴は、みんなまだ青かったのですが(
こちら)、今回の蒴は褐色になったものも、胞子をだしているものもあります。
今回は葉をコンペンセータ(検板)に鋭敏色板(λ=530)を使った偏光顕微鏡で撮ってみました。 平凡社の図鑑には「ほとんど舷がない。」と書かれています。 「全く」ではなく「ほとんど」であるのは、上の写真で納得できます。 中肋は葉先近くで終わっていて、葉先から突出はしていません。
葉身細胞は矩形~六角形です(上の写真)。
上はまだ青く帽のある蒴です。 1枚目の写真でも、蒴の上にある長い嘴状のものが目立ちますが、上の写真を見ると、嘴があるのは帽だけで、蓋の頂が長く伸びているのではないことが分かります。
上の蒴は色も褐色になり、帽も取れて、蓋とツボとの境に色の異なる線状の部分が見えています。 この部分を顕微鏡で見たのが下です。
色の濃い部分は、小さく細長い厚壁の細胞からできています。 この部分は口環と呼ばれていて、蓋が取れた後はツボの口の縁になります。
上は蓋の取れたツボを上から覗き込んだところで、まだ残っている胞子が見えます。 なお、この仲間の蒴には蒴歯はありません。
上は胞子です。 アゼゴケの胞子の表面には小さな刺が密生しています。
(2017.11.28.)
◎ アゼゴケの造精器に関しては
こちらに載せています。
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