2017-12-29

オタルヤバネゴケの無性芽と花被



 上はオタルヤバネゴケ Cephalozia otaruensis です。 小さい粒が集まったような球状のものは無性芽で、白っぽいつっ立ったような三角形のものが花被です。
 花被が目立ちだすと生殖関係にエネルギーを費やすのか、新しい茎や葉が作られないのは時期的なものなのか、とにかく美しい植物体はみつからなかったので、茎や葉は前に載せた9月の状態(こちら)を見ていただくことにして、今回は無性芽と花被を中心に見て行くことにします。


 右が無性芽です。 無性芽は徒長した茎の先についています。


 上は花被を破いて中を撮ったものです。 カリプトラの中には受精卵が細胞分裂を繰り返してできた胚があります。


 苞葉と葉とを入れてカリプトラの部分を撮ってみました(上の写真)。 苞葉は 1/2まで2裂し、裂片は狭三角形です。 花被も大きいのですが、苞葉も葉に比較してかなり大きいですね。


 上はカリプトラに保護されている胚を拡大したものです。 胚の緑色の濃い部分が蒴に、そこから下に伸びている部分が蒴柄になっていくのでしょう。

(2017.12.13. 京都市 貴船)

◎ 上記の胚が熟した胞子体となり、胞子を飛散させる様子はこちらに載せています。


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