2018-07-01

コチョウチンゴケ


 写真はコチョウチンゴケ Mnium heterophyllum でしょう。 雨の後の地上に群落を形成していましたが、上を覆う木の葉が雨をしのいでいたのか、乾いて巻縮しています。


 湿らせると上のようになりました。 葉はそんなに多くなく、葉の長さも様々ですが、2~3mmのものが多いようです。


 葉形もいろいろで、茎の上部の葉はもう少しスマートなものが多いようですが、いずれにしても葉の幅の最も広い所は葉の中央部です。 葉の上半部には鋭い歯が目立ちます。
 上の葉は胞子体をつけていない植物体の葉ですが、胞子体をつけているものには、赤い色の中肋もよく見られました。 なお、中肋上には歯は見られませんでした。


 上は葉の先端付近です。 中肋は葉先には届いていません。


 葉の上半部の歯には、上の写真のような双生のものも混じっています。


 葉の下半部は、単生の低い歯があるか、上のようにほとんど歯が無い状態です。


 4枚目~6枚目の写真のように、葉身細胞の形も場所によっていろいろと変化しますが、上は葉のほぼ中央の葉身細胞です。
 葉身細胞は大型で、大きな細胞では長さが 50μmに達しています。 細胞壁にはくびれがあり、細胞の表面にはベルカがあります。

(2018.5.30. 青森県 蔦沼めぐり自然研究路)

こちらでは、若い蒴をつけた早春のコチョウチンゴケで、茎や葉の断面などを観察しています。

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